内視鏡的胃瘻造設術(PEG)
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固形化経腸栄養剤の調理法
 ■ 寒天調理の手順
 寒天は煮沸した熱湯で溶解し,冷却すると凝固します.しかし粉末寒天を直接熱湯に入れると,寒天が”ダマ”になり溶解が困難になります.そのため,まずあらかじめ水になじませ,その後に水を熱して溶解するのが調理のコツといえます.またこの寒天溶解液と混合する経腸栄養剤は,あまり冷たいと寒天溶液と混合するときに不均一に凝固するおそれがあるため人肌程度に暖めることも忘れてはなりません.
【固形化栄養剤の調理法】
冷水と粉末寒天を混合撹拌しなじませる

水を加熱して寒天を溶解

人肌に暖めた経腸栄養剤と混合

投与容器に注入

冷所に保存,凝固させる
 ■ 粉末寒天とプラスチックシリンジを利用した調理
@栄養剤を加温
 経腸栄養剤を寒天溶液と混合するとき,栄養剤が冷えていると,凝固が不均一になることがあるため,あらかじめ人肌程度の温度に暖めておきます.
A栄養剤を注入
 寒天調理に先立って,加温した経腸栄養剤をボールなどの容器に入れておきます.寒天溶液の混合は経腸栄養剤が冷める前に行います.
B粉末寒天を準備
 粉末寒天を準備します.1本のスティックは4gです.半端があるときは予め計量しておくと良いでしょう.
C冷水に寒天を入れ加熱
 症例の必要水分量を鍋の中に入れ,火をかける前に粉末寒天を入れて撹拌し寒天と水をなじませます.そして撹拌しながら加熱していきます. (熱水に直接粉末寒天を入れると,ダマになるので冷水状態で入れます.)
D寒天を溶解
 寒天は湯が沸騰した状態で撹拌を行い,約2分で溶解します.この煮沸時間は重要なので,時計を見ながら調理すると良いでしょう.
E寒天溶解液と栄養剤を混合
 寒天溶解液を経腸栄養剤の入ったボールに入れ,30秒程度撹拌し混合します.
F経腸栄養剤を吸引
 あらかじめ準備したプラスチックシリンジ(カテーテルチップ)で栄養剤を吸引します.
G口の部分をラップで封印
 静置凝固する際に栄養剤が漏れ出さないようにするため,プラスチックシリンジの口をサランラップなどで覆います.
H静置して凝固
 寒天の混合した経腸栄養剤の入ったプラスチックシリンジを静置し,栄養剤を凝固します.
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 ■ 粉末寒天とドレッシングポットを利用した調理
@栄養剤を加温
 経腸栄養剤を寒天溶液と混合するとき,栄養剤が冷えていると,凝固が不均一になることがあるため,あらかじめ人肌程度の温度に暖めておきます.
A栄養剤を注入
 寒天調理に先立って,加温した経腸栄養剤をドレッシングポットに入れておきます.寒天溶液の混合は経腸栄養剤が冷める前に行います.
B粉末寒天を準備
 粉末寒天を準備します.1本のスティックは4gです.半端があるときは予め計量しておくと良いでしょう.
C冷水に寒天を入れる
 症例の必要水分量を鍋の中に入れ,火をかける前に粉末寒天を入れます. (熱水に直接粉末寒天を入れると,ダマになるので冷水状態で入れます.)
D寒天液を加熱
 冷水に寒天を入れたら撹拌と開始して,寒天と水をなじませます.そして撹拌しながら加熱していきます.
E寒天を溶解
 寒天は湯が沸騰した状態で撹拌を行い,約2分で溶解します.この煮沸時間は重要なので,時計を見ながら調理すると良いでしょう.
F寒天溶液を栄養剤に注入
 沸騰した寒天溶液と人肌程度に加熱した栄養剤をポットの中で混合します.
G寒天溶液と栄養剤を撹拌
 寒天溶液を栄養剤へ注入した直後に,ポットを振って混合撹拌します.撹拌の後に静置して凝固します.凝固は室温の静置でも可能ですが,何食分かを作り置きするときは,冷蔵庫での保存をお勧めします.
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 ■ 即溶性粉末寒天とドレッシングポットを利用した調理
@栄養剤をポットへ注入
 あらかじめ人肌程度に加温した栄養剤を,ドレッシングポットへ注入します.寒天溶液の混合は経腸栄養剤が冷める前に行います.
B粉末寒天を準備
 粉末寒天を準備します.1本のスティックは2gです.半端があるときは予め計量しておくと良いでしょう.また寒天クックと1包の量が異なりますので御注意下さい.
B水に寒天を入れる
 少量の水に即溶性寒天を入れて撹拌します.
C水と寒天をなじませる
 水と即溶性寒天を撹拌してなじませます.これにより寒天がダマになるのを防ぎます.
Dポットのお湯を注入
 症例の必要水分量になるまでポットのお湯を注入します.注入後の温度は80℃以上になるようにします.
E即溶性寒天を溶解
 湯を入れた後も撹拌し,即溶性粉末寒天を溶解します.寒天粉末は目に見えるので,溶けるのが確認するまで行い寒天溶液を作ります.
F寒天溶液を栄養剤に注入
 寒天溶液と人肌程度に加熱した栄養剤を,ポットの中で混合します.
G寒天溶液と栄養剤を撹拌
 寒天溶液を栄養剤へ注入した直後に,ポットを振って混合撹拌します.撹拌の後に静置して凝固します.凝固は室温の静置でも可能ですが,何食分かを作り置きするときは,冷蔵庫での保存をお勧めします.
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 ■ 寒天調理の際の注意
@ 寒天溶解はしっかりと
 粉末寒天は「煮沸した」熱湯で「2分間」撹拌して溶解します.この2分は結構長く感じるものです.経腸栄養剤が固まらないとの問い合わせを頂く方の中には,この2分が守られていない方が多くみられます.
A 熱湯に粉末寒天を入れない
 粉末寒天は水道水程度の温度ならよく水になじみますが,熱湯に直接入れると必ずダマになります.一端ダマになってしまうと,なかなか溶解せず,固形化失敗の原因にもなります.
B 経腸栄養剤は人肌程度に暖める
 煮沸した寒天溶解液を経腸栄養剤に混合するとき,経腸栄養剤が冷えた状態だと,不均一な固形化が起こり,液体成分が残ってしまいます.
C 経腸栄養剤の特性を考える
 寒天は「水と水を結びつける」ことによって固形化します.そのため脂肪分(油分=疎水性)の多い経腸栄養剤を固めるのが苦手です.濃度の濃い経腸栄養剤は乳脂肪分が多く,通常より多くの寒天を必要とする場合があり,注意が必要です.
D 寒天は温度で硬さが変わる
 一端固形化した寒天は80℃まで溶解しません.しかし,温度によって硬さは変化し,温度が高いと軟化します.そのため冷蔵保存をしているときは適切な硬さでも,室温や体温では充分な固形化が得られていない場合もあり注意が必要です.
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