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@ 約350年前から食べられている食品です.
→寒天は徳川四代将軍・家綱の時代から問題なく食べ続けられており,
その歴史からも安全性が十分証明されています. |
A 安全性に関しての臨床報告もあります.
● 佐藤伸一ほか,ラットに供与した寒天末の栄養生理学的評価.
日本栄養食糧学会誌
47(3), 227-233,
1994.
→ラット飼料に10%および20%寒天を含有させ3ヶ月間観察
体重増加量は寒天を含まないラットとの有意差はなく,血液学的指標も変化しなかった.
● 明尾一美ほか,即席麺状寒天(寒天麺)の長期摂取における安全性.
臨床と研究 78(9), 1734-1739, 2001.
→健常成人20名に対し麺状寒天5gを1日1食,3ヶ月間摂食し状態の変化を観察.
その結果,血液生化学所見で変化は示さず,便通の改善を認めた.
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■ WHO(世界保健機関)でも安全な食品と認定されています. |
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@ FAO/WHO食品規格部会食品添加物専門家委員会の見解
● ラットにおける急性毒性試験
→LD50(半数致死用量)に関する数値は認めなかった.
● ラットにおける亜急性毒性試験
→寒天の投与の有無にかかわらず,体重の増加は同程度で毒性も認めなかった.
● ヒトの所見
→ここ50年間,寒天は緩慢な下剤として1日4〜15g投与されているが,
安全性に関しての問題が指摘されていない
● 委員会としての結論
→ADI(一日接取許容量)について,A1グループ(制限無し=not
limited)に属する. |
A 米国保健社会福祉省の見解 ● ラットおよびマウスにおける急性毒性試験
→何れの検体においても科学的に相関のある影響は認めなかった.
● ラットおよびマウスにおける亜急性毒性試験
→目立った副作用ならびに病理学的影響は観察されなかった.
● ラットおよびマウスにおける長期投与試験
→毒性,摂食異常,生存率に影響はなく,発癌性も認めなかった
● 保健社会福祉省としての結論
→寒天は何れの実験においても,健康に対しての悪影響は認めなかった.
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■ 寒天ダイエットは有名ですが,寒天で栄養障害は起きません. |
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@ 寒天によるダイエット効果は寒天の持つ”カサ”効果によるものです
● 寒天によるカサ効果
→寒天は吸水性の良い食物繊維で,水分をゼリー状に固める作用があります.
寒天を食べることで胃の内容物の体積を増し,満腹感が得られやすくなります.
胃内の滞留時間も延び腹持ちが良いので,結果としてダイエット効果が得られるのです. |
A 寒天で血糖やコレステロールが低下するそうだけど,これって栄養障害?
● 寒天による血糖の低下作用
→寒天は多量の食物繊維を含んでおり,胃内容物が腸へ移送される速度が緩和されます.
その結果,糖分の吸収が穏やかになり,血糖の上昇を抑えるのです.
糖尿病の胃瘻症例においてもその効果は指摘されています.
● 寒天によるコレステロールの低下作用
→寒天は水溶性多糖類のため腸の中は粘性を持った状態で存在し,胆汁酸の吸収を阻害します.
その結果,肝臓での胆汁酸合成が増え,胆汁酸の原料となるコレステロールを消費します. |
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■ 寒天は海藻由来の自然食品ですが,ヨード過剰は生じません |
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@ 海藻から出来る寒天ですが,ヨードの含有量は微量です
● ヨード過剰摂取による甲状腺機能への懸念
→ヨードを多く含む海藻由来の寒天は,ヨードを多く含み甲状腺機能への影響が懸念されます.
しかし実際の測定では寒天のヨード含有量は微量です.
● 固形化栄養で使用する粉末寒天のヨード含有量
→かんてんクック:ヨード検出せず(検出限界
0.05mg/100g)
手づくりぱぱ寒天:ヨード検出 0.07mg/100g ※日本食品分析センター調べ
● 実際の固形化調理で使用する寒天量とヨードの量
→固形化栄養で使用する寒天量:約7.5g
(1500ml/日:寒天濃度0.5%)
7.5g寒天中のヨード含有量は約0.075mg (寒天内ヨード濃度を0.1mg/100gで計算) |
A ヨードの量を他の食品と比較してみると
● 日常食品のヨード含有量 (単位:mg/100g) |
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昆布 |
166-128 |
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鶏肉 |
0.05 |
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大豆 |
0.09 |
わかめ |
8-10 |
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豚肉 |
0.02 |
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小豆 |
0.06 |
いわし |
0.27 |
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牛肉 |
0.02 |
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白米 |
0.04 |
かつお |
0.20 |
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バター |
0.06 |
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パン |
0.02 |
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出典) 宮井潔:
ヨウ素と甲状腺,栄養学雑誌,51,1993 |
● 固形化栄養1日分の寒天量でヨード過剰は起きるでしょうか?
→上の表より一目瞭然と思われます. |
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